- なれる
- I
なれる【慣れる・馴れる】(1)たびたび経験した結果, 当たり前のこととして受けとめるようになる。 なれっこになる。
「都会での生活に~・れる」「会議の雰囲気に~・れる」「待たされるのには~・れている」
(2)何度も経験してうまくできるようになる。 習熟する。「料理も~・れれば手際よくなる」「~・れた手つき」「~・れない仕事で疲れた」
(3)接触する機会が多く, 心理的な隔たり・距離感がなくなる。 (ア)人に親しみをもつようになる。「生徒はようやく新しい先生に~・れてきた」(イ)獣・鳥などが人に対して警戒心や敵愾心(テキガイシン)をもたなくなる。 「野生の動物はなかなか人に~・れない」
(4)体になじんで具合がよくなる。「足に~・れた靴」
(5)動詞の連用形や名詞の下に付いて, 何度も経験して具合がよくなる意を表す。「履き~・れた靴」「書き~・れた万年筆」「旅~・れた人」
(6)なじんで打ち解ける。「唐ごろも着つつ~・れにし妻しあればはるばる来(キ)ぬる旅をしぞ思ふ/伊勢 9」
(7)着物が着古されてよれよれになる。「紐解かず丸寝(マロネ)をすれば我(ア)が着たる衣は~・れぬ/万葉 1787」
〔「慣らす」に対する自動詞〕︱慣用︱ 習うより慣れよIIなれる【熟れる】〔「慣れる」と同源〕食物が, 調理後時間が経過して発酵したり, 酸味・辛みが飛んだり吸収されたりして, 適度な味になる。 熟成する。III「味噌は二, 三年ねかせると~・れてくる」
なれる【狎れる】〔「慣れる」と同源〕親しくなりすぎてけじめがない態度になる。 なれなれしくなる。「彼の隔無く身近に~・れるを可忌(ウトマ)しと思へば/金色夜叉(紅葉)」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.